泡盛は、米と黒麹で造る蒸留酒です。現在、沖縄には離島を含めて46の酒造所とひとつの協同組合があり、それぞれが個性的でおいしい泡盛造りに励んでいます。
 その誕生は15世紀。当時、広く交易を行っていた中国をはじめ東南アジア諸国の蒸留酒造りの技術が琉球王国に伝わりました。
 泡盛の特徴は、できた酒を寝かせることで熟成が進み、馥郁たる香りのまろやかな酒になることです。これが古酒(くーす)です。
 「うりずん」では首里に古酒蔵を構え、私がブレンドした泡盛を、甕に入れてオリジナルの古酒を育てています。古酒を味わうときには、店のスタッフに「クース猪口」を頼んでください。
 那覇での一夜、小さな猪口に古酒を満たし、その香りと味に溶け込んだ沖縄の年月を、ゆっくりと堪能していただければ幸いです。